親知らず
(第三大臼歯)の抜歯
親知らずはトラブルになる前に抜歯することをおススメします。
嚙み合わせを矯正治療中の方やレントゲン検査によりトラブルの恐れのある方は抜歯しましょう。
早い人では12歳ぐらいから抜歯することも可能です。
親知らずを抜歯するかは嚙み合わせと歯並びの悪化、虫歯、歯周病を考慮します。
1200本を超えてます
どうして親知らずは必要ないの?
古代人の頭蓋骨からわかる!
親知らずはもともとは必要な歯だった!?
親知らずはもともと必要な歯でした。
食生活の変化により、現代においては大多数の方に歯の咬耗はほとんど見られず、萌出不良になっています。(食の軟食化:お鍋のある食生活)
このことはアマゾンの奥地に住むヤノマミ族の口腔内や博物館にある縄文時代以前の人々の頭蓋骨をみるとわかります。人類の身体が文明の変化についてこれない状態です。
当院では発達学や進化論を考慮して親知らずの必要性・不必要性を考えています。
古代人と現代人の咬合の違い
親知らずを抜歯する目的
- 1.親知らずが
成長して歯並びを
悪くしてしまう - 2.親知らずが成長して
嚙み合わせをずらして悪くする - 3.歯周病(智歯周囲炎)になりやすい
- 4.不衛生の原因
(口臭・虫歯など) - 5.矯正治療のスペースを得るため
いきなり悪くなるのではなくジワジワと悪くなってしまいます。
抜歯は若いほうが優位になることがほとんどです。
親知らずのトラブルとは?
トラブルは萌出不良が原因です。親知らずはトラブルになる前に抜歯することをおススメします。
矯正治療中の方やレントゲン検査によりトラブルの恐れのある方は抜歯しましょう!
早い人では12歳ぐらいから抜歯することも可能です。
25歳女性
スペース不足で前方に押して、歯並びを悪くしている。8を抜歯し、矯正治療で改善。
34歳男性
歯周病になり隣の歯の歯槽骨を溶かしてる2本とも抜歯になった。
30歳女性
隣の歯に食い込み歯を破壊している。虫歯様の痛みがある。2本とも抜歯になり、インプラントになった。
14歳女性
隣の歯を持ち上げて奥歯の嚙み合わせが高くなっている。次第に悪化して開口になっている。8を抜歯し、悪化を止めた。
親知らずと言うと、言葉通り20歳前後から悪さし始めると思いますが、
その前の年齢から知らないうちに悪さし始めてます。
口腔内を清潔に保つことが1番大切!
きれいに生えていない親知らずは不衛生になります。
虫歯、歯周病は感染症ですので、ほかの歯がきれいでも親知らずから虫歯、歯周病が感染します。
親知らずの有効利用、第2大臼歯との代替え治療も考慮していますが、不衛生で保存状態が良くない方がほとんどです。
何かトラブルがあったらその時に使いましょうという意見もありますが、実際はほとんど使えないのが現実です。親知らずの存在がマイナスになっていることが多くみられますので、検査を受けましょう!
当院の親知らず抜歯について
できるだけダメージを抑えて親知らずを抜歯するための道具
当院では歯科用CT、超音波骨切削装置を準備しています。
歯科用CT:Orthophos SL3D (シロナ社製)
歯の形、大きさ、位置、神経までの距離を正確に測定し安全に抜歯するために必要な装置です。
超音波骨削合装置:ピエゾサージェリー
骨を回転式切削器具で削ると熱傷が生じます。この熱傷は術後の疼痛の原因になります。超音波ピエゾサージェリーを使用するので、外科的侵襲が少ないです。
回転切削器具より超音波切削器のほうがやけどによるダメージが少ない
抜歯部の骨の再生誘導 テルプラグの有効性
骨は細菌感染がなく、骨に囲まれている状態であればほぼ自然再生します。
しかし、口腔内は細菌が多く、歯の生えてる部分は体の末端部分のため再生が願うようにされないことがあります。
また、歯肉の再生は骨の再生より早く、骨の再生の場所を歯肉に取られてしまいます。
これを改善するために、コラーゲン成分のテルプラグを補填して、骨の再生誘導をします。(自費診療)
下顎神経の損傷と麻痺
抜歯数日後、麻酔の感覚が残っている場合は神経の麻痺が考えられます。
万が一、このような場合はすぐにスタッフに申し出てください。
神経の麻痺の治療はできるだけ早い対応が回復を左右します。薬の処方、点滴療法を行います。
当院では歯科用CTを導入していますので術前に麻痺のリスクを予測できます。
抜歯の必要性と麻痺のリスクを検討してから抜歯しています。
親知らず抜歯の痛みが心配な方はご相談ください
レーザーバイオモジュレーション
バイオモジュレーションには3つの効果があります。 ①ATPの産生=生きるためのエネルギー産生 ②NO(一酸化窒素)の産生=血管拡張作用 ③ROS(活性酸素)の産生=抗炎症作用 この3つの効果により、傷ついた歯肉・歯槽骨などの患部をバイオモジュレーション作用により、細胞中のミトコンドリア代謝を増加させ、細胞エネルギーを高めて治癒を速めます。
親知らず抜歯症例
当院のInstagramにて症例をご紹介しております。
第三大臼歯を保存したほうが良い方
必ずしも、親知らず=抜歯するもの
とは限りません
嚙み合わせの観点から、親知らずは必ずしも抜歯しなくてはいけないものではありません。例えば右の写真のような方は親知らずを積極的に抜歯しなくて良い状態です(咬合嵌合と咬合支持をしている)。
骨格の形、大きさや歯の大きさにより第三大臼歯を抜歯するか判断しています。