噛み合わせ治療
なんでも咬める歯にしたい!人前で気兼ねなく笑顔でいたい!
そんな方におススメな治療です。
嚙み合わせ治療の目的
- しっかり咬めない状態を治す、
ものがしっかり咬めるようにする - アブフラクションによる知覚過敏が止まらない状態を改善
- 歯のひび割れやひび割れからくる虫歯を予防する
- 咬合性外傷(過度の咬む力)による歯周病を改善、予防する
- 歯ぎしりがスムーズに行えるようにする
(シークエンシャル咬合) - 顎関節症の改善、顎関節と歯の形態が調和したものにする
- 見た目の改善(嚙み合わせを治すと見た目が良くなる)
こんな人は是非ご相談ください
しっかりしているのに
虫歯を何度も
繰り返してしまう
なかなか治らない
歯がグラグラする
感じがする
歯が長くなってきた
顎が疲れている
歯はブラキシズムや食事などで毎日ひび割れや溶解などが生じ、再生をしています。
口腔内が不衛生で再生できなかったり、再生力を上回るほどの負担が生じたりすると、再生が追い付かず、ひび割れなどの歯の破壊が進んでしまいます。とくに、神経を取った歯は再生する力が全くなくなりますので、注意が必要です!
再生するには唾液に含まれるミネラルが必要で、歯垢などが付いていると再生の妨げになりますので、歯ブラシが重要です。
ブラキシズムの力と時間
人は睡眠時に無意識に歯ぎしりをしています。ブラキシズムの力は約300~500kg(約5倍)
日中の咬む力は約50~60kgで力を加減しています。
睡眠時の歯ぎしり時間は約30~40分程度で、自覚がある人はほとんどいません。
必ずしも音が出るとは限らないので、気づかないことが多いです。
ブラキシズムとは?
歯ぎしり、食いしばりなどのブラキシズムは人間にはなくてはならない生理運動です。ブラキシズムはストレス発散のために行っているため完全に止めることができません。もし強制的に抑えて、止めてしまうとストレスが溜まり精神的な負担が増えてしまいます。
ブラキシズムは人間のみ見られる生理的行動です。
理性により怒りやプレッシャー、苦しみ、悲しみなどの感情を抑制しているためストレスがたまります。
動物は噛みついたり、叫んだり、暴れたりしてストレスを発散しています。人間は理性によりこれを抑えているので、睡眠時にブラキシズムという形でストレスを発散しています。
歯ぎしり(ブラキシズム)
チェック項目
口腔内を観察するとブラキシズムの痕跡があります(以下は自覚がない方のチェック項目です)
①骨隆起がある | 歯槽骨が強い咬合力で刺激され増殖します |
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②舌や頬の内側に歯型が付いている | 咀嚼筋と舌の緊張により圧迫され歯型がつく |
③歯の著しい咬耗 | 上下の歯が擦り合い削れる、 自身が思っている以上の顎の動きをしています。 |
④歯のアブフラクション、ひび割れ | 歯をよく観察すると歯に亀裂があることがわかります。 歯頚部の歯の弱い部分が欠けてしまう |
⑤咬筋の緊張と肥大、顎の疲労感 | 食いしばりを主としたブラキシズムにより筋肉痛や筋肉疲労が 起こります。筋トレと同じように筋肉が大きくなります |
スムーズにブラキシズムをするには?
スムーズに動かせるようにする。
シークエンシャル咬合に近似させる。
(応急処置)
しっかり強く咬める≠理想の嚙み合わせ
食事の時、しっかり噛めることはとても大切ですが、トラブルの少ない嚙み合わせにするためには睡眠時の歯ぎしり・食いしばりを重視することが大切です。睡眠時の歯ぎしり・食いしばりは、食事時の4~5倍の約300kgかかると言われています。しっかり咬み合すぎてロックして、左右に歯ぎしりできない方は注意が必要です。
以上のことから歯の破折、動揺・虫歯・歯周病・顎関節症などのトラブルの原因は歯ぎしり・食いしばりの影響が強いです。
シークエンシャル咬合とは(簡易的説明)
順次誘導咬合ともいい、ブラキシズムを重視した咬合で、顎関節の動く角度と上下の歯の接し滑走する角度が一致し調和している咬合です。歯ぎしり(側方運動時)で犬歯3が一番あたる状態になります。7はほとんどあたりません。
側方運動(横に動かしたとき)7→6→5→4→3と順次的に上下の歯が離開して、歯が顎の動きを誘導します。
顎関節の動きや角度を測定する装置(CADIAXとSAM)
ウィーン大学名誉教授のProf.R.Slavicekの理論に基づいて開発され、顎機能咬合診断診療プログラムです。キャディアックス下顎運動測定装置により得られたデータをコンピューターにより解析し、患者さんの持つ個々の骨格形態を分析し、咬合器の設定、最終補綴物を製作するまでのシステムです。
治療の方法の紹介
患者様の症状、ご希望、治療のゴールを決めて治療方法を選択します
①マウスピース治療(スプリント)
個人用のマウスピースを作製して、睡眠時に装着していただきます。(保険治療あり)
②機能的矯正治療(GEAW法)
審美的改善も期待できますが、嚙み合わせと顎の動きを重視した矯正治療です。
顎関節症の方にも矯正治療は効果があります。
1歯対1歯の咬み合わせは、よくない咬み合わせです。
歯の破折、知覚過敏の原因などトラブルを起こします。
上下の歯が互い違いに咬む1歯対2歯の咬み合わせが、
理想的でトラブルの少ない咬み合わせです。
矯正治療で治しました。
③多数歯補綴治療
長年のブラキシズムにより著しく擦り減ってしまったり、かけたり、折れた歯にかぶせ物を入れて治療します。この症例のように多数歯の治療が必要になることもあります。
シークエンシャル咬合になる形態を作り、かぶせ物を装着します。
④咬筋を少し弛緩させる治療方法
食いしばりによる咬筋の疲労と肥大が強い場合はボツリヌストキシン注射治療があります。
(自費診療:¥35000税別)
噛み合わせ治療の流れ
患者様の症状や訴え、生活習慣を伺って、歯科医師・歯科衛生士による病状等の確認・病気の原因の追及、その後に実施される検査や治療の流れの説明等、患者様の納得と了解を得るためのカウンセリングを実施します。
レントゲン検査、口腔内写真、歯列模型分析、歯周病検査を行い問題点を見つけ診断します。場合によっては矯正治療をおすすめすることもあります。
精密検査時に確認すること
- 保険の範囲内で治せるか?
- 矯正治療で治すのか?
- 補綴治療で治すのか?
- インプラントが必要か?
- 歯がすり減り嚙み合わせが低くなっているのか?
- 骨格と咬合平面はあっているのか?
精密検査をもとに患者様に説明をして治療を一緒に決めて、治療が開始されます。治療期間・治療装置・治療のゴールを説明します。
嚙み合わせ治療はリハビリ治療に似ているため経過観察がとても大切になります。治療が完成したら機能検査や問診をおこない改善度を確認します。必要に応じて再治療することもあります。
嚙み合わせの不良で起きる症状
- 1.アブフラクション(歯頚部の楔上欠損)
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歯頚部は構造的に脆弱であるため欠けます。
- 2.歯槽骨の破壊(力による歯周病)
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歯周病というと歯ブラシをサボり、汚れや歯周病菌によってなるものと思いますが、咬む力でも起きます。
自分の歯で骨をえぐるような力が骨にかかります。レントゲン写真で調べます。嚙み合わせの負担が強すぎるため骨の吸収がおき、歯周病が進行してしまう。
(レントゲン写真)
- 3.歯の亀裂や破折
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毎日のブラキシズムにより歯の再生力が追い付かず歯のひび割れが進行します。
虫歯の原因や破折が大きいと抜歯を検討します。歯や詰め物の亀裂や破折の多発、虫歯の再発がおきやすくなる
- 4.知覚過敏
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歯のひび割れにより冷たいものなどにしみやすくなります。
また力により歯肉退縮がおこり歯の根の部分のセメント質が露出してしみます。アブフラクションが起きて知覚過敏が生じる
- 5.歯の動揺、咬むと痛い、顎が痛い
- 歯並びの不良や歯の形態が良くないとブラキシズムの抵抗が大きく、歯に大きな力がかかります。
顎関節症や咀嚼筋の痛みの原因になります。
歯ぎしりがスムーズに動かせないことが原因です。
治療症例
嚙み合わせを考慮して治療しないと、治療後に数年経ち、詰め物・かぶせ物が壊れたり、虫歯を再発したり、終わりのない治療の状態になってしまうこともあります。
Before
After
Before
After
Before
After